腰痛
ちょっと前まではおじさんの代名詞だと思って忌み嫌っていたワードです。
そしておじさんになった私は、ついに腰痛になりました。
「今までよくも嫌ってくれたな!」
と、腰痛デビルがついにその鎌を私に降ろしたのです。
正確に言いますと、朝起きたら腰が痛くなるようになったのです。
原因はいろいろ考えられますが、主な原因はどうやら布団がヘタってダメになっていたようです。そういえば、右肩もずっとこってるような状態でした。
だいぶ前にドン○ホーテで3000円くらいで買った布団セットを数年使い続け、ついに布団も悲鳴をあげたのでしょう。布団としても、「3000円しかもらってないのに、こんなに過酷な労働させられちゃたまんないよ!」とストライキを起こしたのかもしれません。
少し前の若い身体なら、その強靭な回復力と肉体で何ともなかったのでしょう。ヘタった布団の上でも平然と10時間くらい寝てられました。
ところが最近、腰が痛くて朝の4時くらいに1回起きてしまうようになってしまいました。
この腰痛で起きた朝というのが、とても不快で仕方ありません。
まだ眠いけど痛いし、眠いけど1回起きちゃったから眠れないし。もう1回寝ようとして何とか目を閉じるのですが、すぐに痛くて目が覚めちゃうし。
これはイカンという事で、休日に寝具屋さんへ行き、新しいのを購入しようと思いました。
あまり寝具をまじまじと見た事はなかったのですが、今回は年も年なので少し良いものを買おうと思いました。ちゃんと寝具を見極めながら、私に最高の睡眠をもたらしてくれる寝具、いや、神具を買おうと思います。
いやはや知らなかったのですが、種類のあることあること。
前にだいぶ上の先輩の方から「寝具には金をかけろ」とよく言われてましたが、ガン無視して問答無用で安物の布団を買っていたので今まで知りませんでした。
価格は数千円から10万円以上のものまで。
私は典型的な日本人なので、「少し良い物」というのは大体2~3万円くらいのもので、おきにいく(保守的な)買い物しかできません。
それくらいの価格帯のものを眺め、どれがいいかと悩んでいたのですが、ふと目線が気になって振り返ると、そこには1枚のポスターが。
別にサッカーをやってて、三浦選手のファンだったわけではありません。運動神経ゼロなので、サッカーなどの球技からは逃げてるタイプでした。
当然、スポーツ選手として偉業を成し遂げた方だとは知ってますし、私はちょうどJリーグが開幕して、読売ヴェルディが隆盛をきわめた年代の真っ只中の世代ですので、そのご活躍はテレビでよく拝見しておりました。
そんな偉大な方が使っている布団。
当然ちょっと興味が出てきます。
売り場にいたおばちゃんに声をかけて、一応参考程度に見てみたいと言ったところ、「ちょうどいまそこのベットに敷いてあるのがそれです。」と案内されました。
寝てみました。
きっ気持ち良い。。。
見た目は突起がたくさん出ていて拷問器具のように見えたのですが、その突起が私の身体を赤子を抱く母親の如く優しくホールドし、肩から足先までを柔らかくしかもしっかりと支えてくれます。
数年間使い古した安物のせんべい布団からのこのギャップは、うちの母親がずっと「あたし達はお見合い結婚だ」と言っていたのに、『実は恋愛結婚だった』と父と母の共通の友人に教えてもらった時くらいの驚きがありました。
えっ!?こんなに仲が悪いのに、恋愛してた時期あったの!!?
えっ!?こんなに気持ちのいい敷布団ってこの世にあったの!!?
しばらく恍惚の表情で寝転がっていると、売り場のおばちゃんに「どうですか?」と、さも「いやー最高です、これ買います」とどうせ言うでしょう的な顔で聞かれました。完全におばちゃんの術中にハマりました。
「そうですねー。ちょっとまだよくわからないんですけど。もう少しいろいろ寝転がって検討します。」とかなんとか言い、「では、ごゆっくりご検討ください」と勝利を確信している表情のおばちゃんを遠ざけ、冷静になりました。
問題は値段です。
おきにくタイプの人間の私には、清水の舞台というか、スカイツリーから飛び降りるような値段するのです。
どうするか・・・。
嫁さんに5~6発殴られれば済むくらいの値段ではあるのですが、いま歯を矯正中で顔面が非常に打撃に弱い状態ですし、何より自分でも本能的に『高い』と感じてます。
でもこの心地よさ。恐らくこれさえ買えば腰痛とはおさらば。深く快適な睡眠が約束され、10年後も今と変わらないような肌ツヤでいられることでしょう。
人生の3分の1を費やす睡眠時間。
それに投資すると思えば安い値段なのか。。。
悶々としながら、一応2~3万円のおきにくタイプの布団を見て回り、でもどうしても後ろのあいつが気になってしまい、また寝転がってみたり。
こうしてあっちこっち行ったりゴロゴロしたりを繰り返すうちに、少しずつ決意が固まってきました。
よし、買おう。
さっきの勝ち誇り顔のおばちゃんに「すみません」と声をかけ、「はいはい」と勝ちを確信した表情のおばちゃんに「これください」と降伏宣言とも言える言葉を言いました。
手際よくレジに案内され、お会計です。
なんか知らないけどついでに気持ち良かった枕も買い、私の当面のお小遣いがなくなるほどの買い物になりました。
ただ心配なのは、家に帰って実際に寝てみないと本当にこの布団が良い物なのか、私の身体に合ってるのかわかりません。
その夜、実際にこの布団で寝てみました。
なんだこの今までにないスッキリとして目覚めは!
先日まで悩んでいた腰痛は一夜にして消え、スマホの目覚ましのスヌーズ機能を連打して「あと5分・・・・あと5分・・・・」と目覚めを先延ばしにしていた自分が考えられません。
目が覚めると同時に文字通り目が覚め、腰痛無しに布団から起きだし、気持ち良い朝日を自分から浴びにいけるようになりました。
「なるほど、これが彼がアスリートであり続けられる秘訣か・・・。」
朝日を浴びながら、モーニングコーヒーを片手に窓辺でたそがれました。
それからというもの、気分はすっかりアスリートとなり、
「いやー、やっぱり寝具は大事ですよ。」
と周りにウザイくらいアピールするようになりました。
今夜もあの気持ちの良い布団で寝るのが楽しみです。
みなさん、寝具はぜひ良い物を選んでください!!