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思い出のたまごっち

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鬼滅の刃に魅了され、我が家には鬼滅グッズが溢れんばかりに揃っている。

私の身長と体重そして出身地までもが冨岡義勇と全く同じだという事は、初対面で緊張するキッズたちへのツカミのとして大変役立っている。(一部「えぇ〜・・・」みたいな顔をする子もいるけど)

そんな完全な鬼滅フリークな我が家に、先日「きめつたまごっち」というオモチャが届いた。

懐かしい。

私は完全な「たまごっち世代」である。

私が思春期の頃、このおもちゃの初代が登場した。

たまごっちには良い思い出も悪い思い出もあり、この『きめつたまごっち』を見た瞬間、それらの思い出が強烈な閃光のようにフラッシュバックした。

中学2年のとき、『たまごっち』という存在を知った。

というか、すでに信じられないくらい大ヒットしていた。

おもちゃ屋には常に「たまごっちの入荷は未定です」という看板がかかっており、「もうたまごっちについて質問してくんな!」というおもちゃ屋のストレスがビンビンに感じられるほど、当時のたまごっちの人気といったら凄かった。

それでも勇気あるK君が、「看板に書いてあったとしても、実はおもちゃ屋が隠している」という都市伝説を真っ向から信じ、「すみません、たまごっちください」と近所で評判の強面の店長のおもちゃ屋へ尋ね「だから看板に書いてあんだろーが!!!」と怒鳴られて泣いてるのをおもちゃ屋の外から見ていた。

たまごっち欲しさに、とんでもないブサイクのI君と付き合った後輩の女の子もいた。(たまごっちを手に入れてすぐに別れていた)

そんな中学生たちの人生を狂わせまくっていた「たまごっち」

当然、私も欲しかった。

たまごっちが欲しくて欲しくてたまらなかった。

しかし、当時の私には特別なコネクションもなく、親がたまごっちを作った本人でもなく、おもちゃ屋に足繁く通ってはみたものの、ついぞたまごっちを手に入れるチャンスは訪れなかった。

そんな中、友人のS君から、「ゲームセンターの景品ゲームの中に、たまごっちがある」という衝撃の情報を入手し、さっそくそのゲーセンへ行ってみることにした。

普段から「ゲームセンターで遊んじゃダメ!」と親に言われてはいたものの、たまごっちのためには法も破るのが中学生というものだ。

「大人が決めた枠組の中で生きていたくなんかねーよ」という気持ち悪いセリフも平気で言えるのが中2だ。

しかし盗んだバイクで走りだしたわけではなく、私は自分の自転車で近所のゲーセンへ向かった。

ゲーセンに着くと、言われた通りたまごっちがあった。

いや、正確にはたまごっちはなかった。

代わりに、「ぎゃおっぴ」という明らかなたまごっちの類似品があった。

しかし、中学生というものは恐ろしいもので、私はそれでも欲しくなった。

(まぁこんな奴が多いからこんな類似品が平気で売られているんだろうけど。)

私は「ぎゃおっぴ」が欲しくて欲しくてたまらなくなった。

ぐるぐる回る円盤の上を「ぎゃおっぴ」がクルクル回っており、それを内側から外に押し出すだけの単純なゲームだった。

1回100円。

財布には1200円。

こうして私の、人生をかけた12回チャンスが始まった。

1回目。

まぁまぁ、最初は練習みたいなもんだ。

私が押したタイミングではぎゃおっぴはピクリとも動かず、カスリもしなかった。

2回目。

ぎゃおっぴには触れたものの、円盤の回転でくるくるっと押し出すバーをかわしたぎゃおっぴは、円盤の上に鎮座し続けた。

3回目。

ついにバーがぎゃおっぴをとらえた。

しかしあと少しで円盤から落ちるところでぎゃおっぴが回転してしまい、惜しくも取り逃がしてしまった。

3回目で確かな手応えを感じた私は、4回目、5回目と続けて資金を投入し、気づけばラスト100円となってしまった。

ラスト12回目。

奇跡がおきた。

私のバーがぎゃおっぴをとらえたのだ。

ぐんぐんとぎゃおっぴを押し出し、景品が出てくる穴までぎゃおっぴがあと数センチと迫った。

 

「ここだ!」

 

私は思った。

あと少しぎゃおっぴに慣性をつけるため、私はそのゲーム機に膝蹴りを入れた。

 

 

 

その瞬間。

ジリリリリリリリリリリーーーーーー!!!!!!!!

防犯アラームが鳴り響いた。

噂では聞いていたが、クレーンゲームの流行りをうけて、あとちょっとと感じた客がしょっちゅうゲーム機に蹴りを入れて壊すという事件が相次ぎ、対策に強烈な振動が入るとブザーが鳴るようにしていたのだ。

私はパニックになった。

ぎゃおっぴは残り数ミリのところで取り損ねていた。

店員さんがこっちに向かって走ってくるのが見えた。

「このままだと死刑になる」

と思った私は、走った。

 

無我夢中で走り、けっこう遠い公園まで辿り着いた。

 

肩で息をし、渾身の蹴りで腫れた膝を抱え、私は泣いた。

きっと今頃全国ニュースに防犯カメラに映った私の姿が公開されているだろう。

ゲーム機に渾身の膝蹴りをいれる息子を見て、母は何を思うのだろう?

おれの人生は終わった。

ぎゃおっぴで終わった。

そう思うと、とめどなく涙が出てきた。

しかし、警察もテレビ局もそこまで暇ではなく、私のことがニュースに流れることは、当然のことながらなかった。私はただ、ゲーセンで1200円をすって、自転車を忘れて帰ってきた無垢な少年だった。

2021年の今、さっきメルカリで検索してみたら、ぎゃおっぴが3個セットで1100円で売られていた。

あの時の必死な私は一体なんだったんだろう?

てか、ぎゃおっぴってなんだ??

20年以上の時を越えて、今ぎゃおっぴを買おうかどうか本気で悩んでいる。

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